読了

・村上龍『コインロッカー・ベイビーズ(上下)』(講談社文庫)読了。『コインロッカー』に出てくるアネモネという女の子がワニを飼っていて岡崎京子『pink』を連想したが、どうやらこれは安易な思い付きらしく、実際はYOU(元フェアチャイルド、いまタレント)が…

・橋本治『'89』を読んだ勢いで『ナインティーズ』(河出文庫)を読む。91年の衆院選前の状況や映画バットマンの鑑賞方法についてなど1部で語られ、2部では湾岸戦争の解説として、世界史(イスラムの歴史から欧州帝国主義云々といったとんでもないところま…

・ムージル『愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑』(岩波文庫)読了。短編が2つ入っている薄い本だが読んでいて疲れた。今度は『三人の女・黒つぐみ』を買ったので読んでみるつもり。昨夜、自分が射殺される夢をみたのは、再試験へのプレッシャーだけでなく、…

・橋本治『'89(下)』(河出文庫)。取り上げるテーマの幅広さは『貧乏は正しい!』に匹敵するのでは。

・戸田誠二『生きるススメ』(宙出版)

・堀江敏幸『熊の敷石』。 文庫化されていたのを機に再読。表題作は、ユダヤ人虐殺やボスニア紛争、眼球を欠いて産まれた子どもといった重いテーマがでてくる一方で、カマンベール投げ大会やペタンクといったちょっと力の抜けた話、語り手が取り組んでいる学…

◇岩井克人『会社はこれからどうなるのか』(平凡社) 『バカの壁』方式というのか、インタヴューテープを文章に起こしたらしくひどく読みやすい。マニュアル的な指南は書いてない。会社のなかでどう振る舞えばよいのかとか、転職や独立・企業をするべきか、ま…

◇失われた体育会系の日々を取り戻そうとプールで泳いでみたけどもちろん無理だった。あいかわらず泳ぎは上達しない。もっと向上心を持たねば。西原理恵子『ぼくんち(全)』(小学館)、細野不二彦『S.O.S(1巻)』(双葉社)、村上かつら『サユリ1号(1巻)』(小…

◇DVDを返却しに遠出。朝は雪が降ったり止んだりの天候だったが、昼には予報どおり汗ばむくらいの温かさに。返却後、久しぶりに都電に乗る。池袋に出て『10ミニッツ・オールダー イデアの森』を観るためだった。だったがしかし、先週から、上映は朝の1回にな…

◇稲葉振一郎『経済学という教養』(東洋経済新報社)を読了。他に、『文藝春秋』3月号から「蹴りたい背中」(にな川君の服装の描写「英字新聞の柄の開襟シャツ」に笑った。あと、ハツ―にな川という2人の関係だけでなく、特に絹代の絡んだ関係が面白かった。英…

○井伏鱒二『遥拝隊長・本日休診』(新潮文庫)を読了。映画版『本日休診』は、どうやらここに収められている2編を併せてひとつの物語に作り直した作品だったようだ。「本日休診」は短い作品のわりに、結構な数の登場人物が入れ代わり立ち代わり出てくる。しか…

風で寝込み布団の中で、バタイユ『エロスの涙』(ちくま学芸文庫)を読み終える。図版が多いというか図版メインなので眺めたというほうが正確か。バタイユにヒントを求めているのは別に大層なことを考えたいわけでなく、小さい頃からの自分もそうだったのだが…

アーサー・マッケン『夢の丘』(創元推理文庫)と古本屋で先日買った獅子文六『コーヒーと恋愛 可否道』(角川文庫)を。『夢の丘』を読んでいて映画『ポーラX』を思い出した。主人公が日常との距離感を失ってどんどん落ちてみすぼらしくなっていくのだが目指し…

『へらへらぼっちゃん』(講談社)読了。善人悪人あほかしこ、の人物4類型でもってテレビ時代劇を説明してくれる「絶望的なありさま」が勉強になった。ほか、路上を歩いていて人とすれ違うときの譲り合い精神の無さへの憤りや、バンドのメンバー間の日程調整…

業田良家『ゴーダ哲学堂 悲劇排除システム』(小学館)

マンガ

◇三原ミツカズ『ハッピー・ファミリー2』(祥伝社) ◇三原ミツカズ『ハッピー・ファミリー3』(祥伝社) 三原ミツカズは、そういえば『夜想』復刊第一号(「特集 ゴスGothic」)にインタヴューが載っているのだったか。こういうのに興味がないので、三原マンガは…

◇小林秀雄『モオツァルト・無常という事』(新潮文庫) 先日「美の巨人たち」で取り上げていた富岡鉄斎についての文章があったかなと思い読んでみる。以下は「鉄斎」から。 恐らく彼(鉄斎)は、「万巻の書を読み千里の道を行かずんば画素となるべからず」という…

マンガ

◇南Q太『天井の下』(祥伝社) ◇福満しげみつ『カワイコちゃんを2度見る』(青林工藝舎) 時は平成、のはずなのに、出てくる人のファッションや髪形がずれていて、また行動パターンもパンチラやボインに異常な興奮を示したり、女の子の匂いをくんくん嗅いだり…

◇阿部和重『ABC戦争』(新潮文庫) 田舎の通学列車に勃発する、出身中学に色分けされた抗争。実際は抗争という大袈裟なものではなく、いさかいという程度のもので、しかも予兆や推測やほのめかしの段階にとどまって、勃発には至らない。しかし、これを過剰な装…

マンガ

南Q太『ゆらゆら』(宝島社) ひさうちみちお『パースペクティブキッド』(青林堂)

有栖川有栖『ペルシャ猫の謎』(講談社文庫) 著者もしくは火村シリーズのファンでなければ読む必要ないでしょう。「赤い帽子」という中編は、大阪府警警務部教養課の編集部(そんな部署があるんですね)からの依頼で「なにわ」という大阪府警の社内誌に連載し…

◇柳澤桂子『二重らせんの私』(ハヤカワ文庫) 動植物に身体を使って触れると同時に、生物にたいして知的な関心も抱いていた少女時代を軽く導入として、著者が米国コロンビア大学院で過した3年間を中心に、「学ぶことの充実」が語られる。著者自身の研究や周囲…

マンガ

◇陸奥A子『薔薇とばらの日々』(集英社) ◇陸奥A子『紙のお月さま』(講談社)

◇阿部和重『インディヴィジュアル・プロジェクション』(新潮文庫)

◇阿部和重『無情の世界』(新潮文庫) 阿部和重初体験。面白かった。すらすら読める。(町田康と比較してみること。著者や語り手の倫理観はどうか。壊れていそうで実は非常に強固な論理や日常性への固執を内包していないかどうか。) ◇村上春樹『村上ラヂヲ』(新…

◇鹿島茂『オール・アバウト・セックス』(文藝春秋)ISBN:4163582908 クリスマスに読了するのは自分でも悲しいので急いで読んだ。

◇小林信彦『読書法』(文春文庫)

マンガ

業田良家『ゴーダ哲学堂 空気人形』(小学館) 山下和美『不思議な少年 ①②』(講談社) 『不思議な少年』が終戦直後の日本、現代のアメリカ、古代ギリシア、19世紀英国という、広がりのある世界を舞台にしているのに対して、『空気人形』は現代日本に限定され…

堀江敏幸『雪沼とその周辺』(新潮社) 調子が悪くなったテレビを叩くと画像の乱れが直ってしまう。ファミコンのカセットの差込口に息を吹きかけてから入れるとさっきは映らなかったスタート画面が今度はきちんと表れる。この連作短編集を読んでいると、そんな…

漫画

佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく ①②巻』(講談社) 安彦麻里絵『メロドラマチックremix』(アスペクト) 佐藤智一『思い出スタンプ』(集英社) 手紙にまつわる話5編。はじめと終わりが親子の話で、あいだの3つが男女の話。私は、男女の話よりも親子の話に…