アーサー・マッケン『夢の丘』(創元推理文庫)と古本屋で先日買った獅子文六『コーヒーと恋愛 可否道』(角川文庫)を。『夢の丘』を読んでいて映画『ポーラX』を思い出した。主人公が日常との距離感を失ってどんどん落ちてみすぼらしくなっていくのだが目指しているものは美しくそれを掴み取ろうともがき、煩悶する姿に引き付けられる。『コーヒーと恋愛』、句点を多用した文章のおかげもあって軽快に読める。色々悲しいことや上手くいかないことが起きるけれど、流れる空気はゆったりとしていて、基本的には暢気なドラマ。