橋本治『'89』を読んだ勢いで『ナインティーズ』(河出文庫)を読む。91年の衆院選前の状況や映画バットマンの鑑賞方法についてなど1部で語られ、2部では湾岸戦争の解説として、世界史(イスラムの歴史から欧州帝国主義云々といったとんでもないところまで飛んでいく)の話が結構な分量を割いて語られている。こういう歴史の先生がいたら良かったなあ。或る地域の或る時代について語るとき、別の時代との比較や対比をする方法と、その地域時代の内的な動向を詳細に検討する方法と2つあるとすると、橋本治がやっているのは前者ということになるだろうか。大塚英志の新刊が気になるが、大塚の方法はどうも後者のような気がする。
小阪修平『イラスト西洋哲学史』(宝島社)読了。古い本だけど、手ごろな哲学史の本って意外に少ないような。