2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

部屋の掃除をしていて積読だったバルザック『金融小説名篇集』(藤原書店)を見つけ、コタツのテーブルに移しておく(いつでも読めるように)。積読といえば、私の場合、読んでいない本を本棚に並べ、反対に読み終わった本は、よほどの思い入れがない限りダンボ…

『ためらいの倫理学』の感想。著者自身があとがきで要約してくれているように、収められた文章に共通するのは「自分の正しさを雄弁に主張することのできる知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性のほうが、私は好きだ」という信念だ。そして大岡昇平やカ…

結城信一『セザンヌの山・空の細道』(講談社文芸文庫) 就職試験の行き帰りの電車内で。どれも短い作品。その中に、死と時間の経過があるのに、凝縮されているように感じない。水彩画のような淡さ。「蛍草――柿ノ木坂」は25歳にもなって親のスネかじりをしてい…

〇なっちゃん「恋の救急箱」が届いた。箱の大きさと中身とが釣り合ってないです。結構スカスカ。オークションに出したら売れるかな。〇『BSマンガ夜話』またまた見逃す。再放送はきちんと録画しよう。まあこの番組しっかりと見られた経験ないんだけど。なん…

内田樹『ためらいの倫理学』(角川文庫) 安田弘之『ちひろ』

早稲田松竹に今週中に行くこと 中公文庫から金子光晴の随筆新刊。

於新刊書店

内田樹『ためらいの倫理学』(角川文庫) R・ブローティガン『愛のゆくえ』(ハヤカワ文庫) 両方とも解説は高橋源一郎。偶然、というほどではないか。ブローティガンを読んでみたくなったのは『船を建てる』の影響。ただ、村上春樹も高橋源一郎も池澤夏樹も、…

〇竹中平蔵『竹中教授のみんなの経済学』(幻冬舎) 『経済って〜会議』と内容がかぶっているのは仕方ない。ただ、同じ本を2回読むよりも、似た内容を、少し違った構成で語ってくれている本を読んだ方が頭に入りやすいかと思って読んでみました。頭に入れるっ…

〇カウンセリング於大学

吉本隆明『状況としての画像 高度資本主義社会下の[テレビ]』(河出文庫) 日本経済新聞社編『巨匠が解く日本経済の難問』(日経ビジネス人文庫)鈴木志保『船を建てる ②』(集英社)。 楳図かずお『神の左手悪魔の右手 ①②』(小学館文庫) さそうあきら『トトの世界…

 読売新聞のテレビCMに大江健三郎

〇高橋源一郎『文学王』(集英社文庫) 外国の作家を紹介した章は、引用が長くて退屈だった。鮎川信夫、伊藤比呂美、藤井貞和、金子光晴らの現代詩人についての文章がとても面白かった。深夜番組「11PM」の中で行われた金子光晴とボクシング世界チャンピオンの…

(一部他店混じる)

結城信一『セザンヌの森・空の細道』(講談社文芸文庫)、橋本治『ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件(上下巻)』(徳間文庫)、『速読英単語 必修編』『速読英単語 上級編』(増進会出版社)ほか。以下マンガ。安田弘之『ちひろ』(講談社)、さそうあ…

お盆のあいだ借りっぱなしだったビデオを返却。しかも、観る暇がなかったから、返す寸前に観ようとしたところ、ビデオデッキが故障。延滞料金、2本で2000円也。 帰りにフィルムセンターで市川崑監督『結婚行進曲』を300円で鑑賞。テンポがよくて、切れのある…

8月18、19日『日本経済新聞』『毎日新聞』より ・建築家伊藤忠太 予は真の滑稽味は真剣の裡より生じ、真の真剣は滑稽の裡より生ずるものと信じてゐるのである。結局真剣即ち滑稽、滑稽即ち真剣である 前の日記に書いたけど、言葉についても上の引用は当ては…

ウィトゲンシュタイン(野矢茂樹訳)『論理哲学論考』(岩波文庫) 中村雄二郎『宗教とは何か』(岩波現代文庫)

500mlペットで、『恋の救急箱』が当たったので早速応募。恋の救急箱って失恋対策ってことだろうけど、何か後ろ向きね。

鳩山郁子『月にひらく襟』(青林工藝社)、三田誠広『書く前に読もう超明解文学史』(集英社文庫)、古山高麗雄『プレオー8の夜明け』(講談社文芸文庫)、大島弓子『いちご物語』(白水社文庫)、鈴木志保『船を建てる 第2巻』(集英社)。『月に』は半額。他は100円…

三田誠広『書く前に読もう超明解文学史』(集英社文庫) 三田誠広という作家のことを知ったのは、高校生のとき。当時受講していた某ベネッセの通信添削で、ささやかな文学コンテストが開催されたときに、審査員をしていたのだった。ちょうどその時期に、新刊エ…

NHK教育で、柄本明のひとり芝居『煙草の害について』を観るも途中、寝てしまった。

ナンシー関・町山広美『堤防決壊』(文春文庫)読了

ナンシー関の特異性を少しだけ感じた。町山広美はどこかにインテリ臭が残っているというか。優等生的なのだ。巻末に入っている連載の裏話を語った対談でもそう感じる。即興性を重んじ、対談の原稿にはあまり朱入れをしないナンシー関。それに対してしっかり…

『暗闇の中で子供』―『予告された殺人の記録』

舞城王太郎―筒井康隆―笙野頼子―大江健三郎というライン。あるいは吉田健一「金沢」「酒宴」

以下ネタバレ気味(cf.A・クリスティの某小説/D・リンチの某映画)

舞城王太郎『暗闇の中で子供』(講談社ノベルス) 『煙か土』を未解決の謎、思わせぶりな挿話満載のまま読み終え、さて2作目では少しはスッキリするのかと思いきや、あにはからんや、混乱に拍車がかかりかねない。真相はどこに? 読んでいて気になったのは、橋…

矢野りん子『Cherry Pink』『PROCESS』(ともに集英社) 松本充代『ドロップ・バイ・ドロップ』(アスペクト) 町田ひらく『卒業式は裸で』(一水社) 鈴木志保『船を建てる 1巻』(集英社)

心療内科に初めて行き、帰りに薬を貰って(というか医者や病院で薬を"貰う"という風に言うけど、あれって"買って"るよね)帰る。診察料+薬代が思った以上にかかって、少し凹む。健康第一だと思うね。本当に。凹んだ心と小銭で膨らむ財布を持ってブックオフ。 …

〇図書館で『新潮』最新号を読んでみる。平野啓一郎『最後の変身』、堀江敏幸の連載、四方田犬彦の連載、多和田葉子の笙野頼子『水晶内制度』評、などを斜め読み。いずれも時間があれば通して読んでみたいと感じた。/平野啓一郎は『日蝕』すら未読だが、設…

川本三郎・村上春樹『映画をめぐる冒険』より

『ペーパームーン』のカメラマンは、ハンガリー出身のラズロ・コヴァックスと確認

車谷長吉『業柱抱き』「静謐な霊の生動」より、埴谷雄高への朝日新聞からのインタビュー記事(1995年11月)を孫引き

かつては『死霊』のような文学を認めないのが、現実の根拠だったのに、現実の許容範囲が広くなって、なんでも受け入れる。下水溝みたいに、立派なものでも排せつ物でも、無根拠なものも、無価値なものもなんでものみ込んで、『価値なき価値』として押し出し…

業田良家『詩人ケン』(幻冬舎文庫)読了

皆が自由に 思うがままに生きている 固定観念も偏見もなく 文化も文明も伝統にも 縛られることなく生きている この国ではすでに(なんてことだ!) ロックのメッセージは達成されたのだ だれも なんの反逆も起こさないで! (102頁)