読了

ジャン・ジュネ『葬儀』(河出文庫) 荻原魚雷『借家と古本』 素晴らしい本です! 「昔は二千円以上の本を買うとき、なんらかの躊躇の気持ちがあった。/『この本一冊と文庫本数十冊とどっちが得か』/『この本一冊とそうでない本百冊とどっちが支えになるか』…

漫画

◇しりあがり寿『方舟』(太田出版) ギャグ漫画の巧手が笑いぬきの漫画を描くととても怖い作品になるということは、いがらしみきお『Sink』や望月峯太郎『ドラゴンヘッド』が示しているのだろうが、『方舟』も例に漏れず。 ◇根本敬『怪人無礼講ララバイ』(青林…

◇ポール・クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』(日経ビジネス人文庫) ◇柄谷行人『マルクスその可能性の中心』(講談社学術文庫)

◇佐藤友哉『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』(講談社ノベルス)

◇M・プルースト『失われた時を求めて ③』(ちくま文庫)◇橋本治『橋本治雑文集成 パンセII 若者たちよ!』(河出文庫) 『ららら科學の子』を読んだ身としては、この箇所を引用してしまいたくなる誘惑に抗えない。 大人になるということは、かつて無力な子供だ…

マンガ

◇三原ミツカズ『ハッピー・ファミリー エクストラ』(祥伝社)◇(漫画)木村文・(原作)牛田麻希『問題のない私たち ①②』(集英社) 来春公開の映画の予告編を観て原作を読んでみることに。面白かったです。3巻が近日発売とのこと。映画は監督:盛岡利行、出演:黒…

◇細野真宏『最新版 経済のニュースがよくわかる本 世界経済編』(小学館) ポンド危機→アジア危機→ロシアのデフォルト、と90年代後半に相次いで起こった各地の金融危機を説明しながら、その共通の因果関係・構造を示し、マネー経済隆盛下の世界経済の複雑性を…

◇高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』(河出文庫)

◇しりあがり寿『流星課長』(竹書房) 『少年マーケッター五郎』『ヒゲのOL薮内笹子』とともにサラリーマン3部作を成している。『薮内笹子』には負けると思うけれどこの作品も十分に強烈。総理大臣が満員電車で席取りをするサラリーマンを見て、まだまだ日…

◇寺山修司『ポケットに名言を』(角川文庫) ◇細野真宏『最新版 経済のニュースがよくわかる本 日本経済編』(小学館) 前に中経出版から出ていたものに、最近の動向を付け加えたもの。中経のやつを以前に読んだが、ブックオフで「世界経済編」と一緒に安かった…

マンガ

◇しりあがり寿『少年マーケッター五郎』(竹書房)

小説

◇会田誠『青春と変態』(ABC出版)

◇保坂和志『カンバセイション・ピース』(新潮社) 記憶、存在論、視覚、認識、アフォーダンスみたいな話、神の存在証明。会話の中で、また語り手の頭の中で、哲学的な問題意識が深まったり広がったり、そしてまた謎が増えたりとするけれど、そうした会話や思…

漫画

やまじえびね『インディゴ・ブルー』(祥伝社)

◇寺山修司『青少年のための自殺学入門』(河出文庫) 自殺する方法を知りたいと思ってすがりついた――のではもちろんなく。自殺というものにまとわりついている既成の思い込み(深刻さや哀れみなど)を剥ぎ取る作業をここで著者はやってくれているのだろうと思う…

マンガ

◇しりあがり寿『エレキな春』 サラリーマン社会にはあり得ない過剰なテンション。あらゆるサラリーマンに花束を。

尾崎一雄『暢気眼鏡』(新潮文庫) 夫婦生活を中心に描いた短編を年代順に収めている。

◇矢作俊彦『ららら科學の子』(文藝春秋) 雑な感想。 読んでいて腹が立ってきた。友人から差し伸べられる援助の手や女子高生との出会いなど、話の展開の都合よさ。女子高生の言葉遣いも現代的なものにしようとして失敗しているとしか思えないくらい、ズレてい…

マンガ

◇さそうあきら『タマキトヨヒコ君殺人事件』(双葉社) 殺人事件の話がたっぷり11話詰まった短編集。動機や顛末の部分に多分に滑稽味が混じっているが、それでもはじめの4話くらいまでは読んでいてかなり気持ち悪いところも多い。けれどそこからは、あとの作…

マンガ

◇山本直樹『YOUNG&FINE〜うみべのまちでぼくらはなかよしだったか〜』(双葉社) ブックオフで100円で買ったのが申し訳なくなる素晴らしい作品。海に面した地方の小都市、高校生、夏、性体験、という作者のマンガではよく出てくる一昔前の青春ドラマのような…

◇大塚英志『「彼女たち」の連合赤軍 サブカルチャーと戦後民主主義』(角川文庫)

マンガ

◇よしもとよしとも『青い車』(イーストプレス)

◇大塚英志『サブカルチャー反戦論』(角川文庫)

大塚英志『定本 物語消費論』(角川文庫) 「物語消費」=「送り手からもたらされる断片的な情報を想像力をもって接ぎ木し、更には『世界観』という枠組みの中で限定的に『物語』を紡ぎ出すという新しい消費の形式」を、多くの事例を用いて例証している。ある…

◇森鴎外『普請中・青年 森鴎外全集2』(ちくま文庫) 「青年」は読んだことがあるのでそれ以外の短編を。「あそび」という短編が面白かった。http://www.asahi-net.or.jp/~aq3a-imi/syoko/kindai/ogai/asobi.htmlゴーゴリなど、小役人の話って面白い。それと「…

◇鴻上尚史『鴻上夕日堂の逆上』(新潮文庫) ◇柄谷行人『言葉と悲劇』(講談社学術文庫) ◇乙一『夏と花火と私の死体』(集英社文庫) ◇作・越智典子/画・塩田雅紀『パンになる夢』(パロル舎)

大塚英志『物語の体操』(朝日文庫)

◇高橋源一郎『平凡王』(角川文庫) 競馬、野球、テレビ、猫、マンガなど、著者の本を読む人にとってはお馴染みの素材についての、ときに脱力してときに真面目でときに感傷的な短文が集められている。読み応えのあったのはテレビを取り上げた一連の文章。「「…

◇ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』(集英社文庫) ◇鴻上尚史『鴻上の知恵 完結編』(朝日新聞社) 「僕達は、汗水流して働いている人に非日常と生きていく元気を感じてもらうのが虚業としての誠実だと思っています。」(28頁) モノを作ることの厳しさ、…

小説

殊能将之『ハサミ男』(講談社文庫) トリックについては下にちょこっと書きます(ネタバラシあり)。 殺す側(犯人)と殺される側(被害者)、追う側(警察)と追われる側(犯人)、これら三者全てが同じ価値観を共有しているのが面白い。彼らはみな、人の内面や性…