8月18、19日『日本経済新聞』『毎日新聞』より
・建築家伊藤忠

予は真の滑稽味は真剣の裡より生じ、真の真剣は滑稽の裡より生ずるものと信じてゐるのである。結局真剣即ち滑稽、滑稽即ち真剣である

前の日記に書いたけど、言葉についても上の引用は当てはまる。言葉の定義や用法があまりにも固定化してしまうことは危険。すべての人が官僚的な発想をする必要はないのだ。言葉といえば、18、19日「日経」1面の特集「日本語力」は、さすが日経というのか、ファミレスの接客の言葉遣いの改善で集客力アップ、というような経営的側面から日本語の乱れを分析。第三次ともいわれる最近の日本語ブームを「言ってみれば日本語力への不安と不満が原因」と断定。みんなが「不安」に思っているのは日本語力というよりも、もっと根の深いもののように思うが。仏語に訳されずに「ビミョー」という言葉がそのままフランス人同士で使われているという報告も。日本語のままで輸出・流通している言葉といったら「エキベン」(食べないほう)とか「ブッカケ」とかの変態用語の方がメジャーかも。

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