2003-08-30から1日間の記事一覧

『ためらいの倫理学』の感想。著者自身があとがきで要約してくれているように、収められた文章に共通するのは「自分の正しさを雄弁に主張することのできる知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性のほうが、私は好きだ」という信念だ。そして大岡昇平やカ…

結城信一『セザンヌの山・空の細道』(講談社文芸文庫) 就職試験の行き帰りの電車内で。どれも短い作品。その中に、死と時間の経過があるのに、凝縮されているように感じない。水彩画のような淡さ。「蛍草――柿ノ木坂」は25歳にもなって親のスネかじりをしてい…