借りていた『バッファロー'66』、『銀河』(監督L・ブニュエル)、『日本春歌考』(監督大島渚)、『豚と軍艦』(監督今村昌平)、『静かなる一頁』(監督A・ソクーロフ)、『自由はパラダイス』(監督セルゲイ・ボドロフ)、の計6本を鑑賞後、返却。
・『バッファロー』。こじゃれた映画かと思っていたら面白かった。ギャロ演じる男の、落ち着かないでちょくちょくトイレに行く、というキャラが良かった。あと、出来のよくない両親に対してそれでも抱いてしまう愛情は、ブコウスキーの『くそったれ!少年時代』を思い出したのだが、昔読んだから勘違いしているかも(たしか父親から風呂場で折檻を受け、母はそれを横で見ながら「お願いだからお父さんの言うことを聞いてー」と嘆願する、そんな家庭だった)。それにしても向こうの人がやるとボウリングがどうしてこうも格好よく見えるのだろうか。
・『自由はパラダイス』。特殊学校(少年院)に入れられている少年が、学校を抜け出し、父親が入っている刑務所を目指す。父親は刑を軽減できる扶養家族証明書を必要としているからだ。少年サーシャの孤独な道行の景色、ときには電車から、ときには船から眺められる景色がきれい。父親に会いに行く映画で『少年、機関車に乗る』という作品があって、これは土を食うという変なクセを持った弟のキャラなど呑気な感じもあるが、『自由は』のほうはもう少し重い。
・『春歌考』。雪に覆われた大学受験会場から始まる。白い雪に、黒の学生服を着た集団。舞台はピラミッドのあるおそらく学習院大学。さえない男子受験生4人組。『帰ってきたヨッパライ』も4人の男子学生が登場する。普通、男子学生4人組というのは多すぎる気がする。2人とか3人くらいのほうがスッキリしていて、またそれぞれの性格も覚えやすいだろう。でも4人いると、それだけで鈍重というか、冴えなさや鬱屈に拍車がかかるような気がする。
・『豚と軍艦』。ちょっと気弱なチンピラを演じる若き長門裕之が、桑田佳祐を通り越して、びびる大木に似ているのは気のせいか。舎弟役がはまっている。