12日(成人の日)に放送された「青春メッセージ'04」の審査員に松本零士が出ているのを観てこれは適任だなあと思ったのは、少し前に読んだ本に松本零士が若手漫画家に対して温かい言葉をかけてきた、とかいてあったからだ。荻原魚雷『借家と古本』所収「松本零士 夢と希望の大四畳半」がそれである、ということにこの本を読み返していて気付いた。

松本零士は若者をずっと応援し続けているのである。/このあいだ、TVの深夜番組に松本零士が出ているのを見た。/一般応募のコンピュータ・グラフィックのアニメ作品を紹介する番組で、松本零士は、素人目に見ても、はっきりと駄作とわかるようなものまで、褒めて褒めて褒めまくっていた。

もちろん自分がしっかりとした作品を作れていない人が後進者を褒めても説得力はないのである。愛ある批評、建設的なコメント、というのと、この褒めまくりは、どういう関係にあるのだろうか、と思った。