携帯に保存しっぱなしだった映画『ぷりてぃ・ウーマン』の感想メモをコピー。観る前に気になるのが腰くだけのタイトルだが、中身はとてもしっかりしているので心配は要りません。淡路恵子演じる森下葵を中心に結成されたおばあちゃんだけの劇団『ともしび』の上演までの日々が描かれる。「おばあちゃん」と「演劇」との両方に力点が置かれ、プロの女優が素人女優を演じるという面白さ、そして、作中ではおばあさんがおばあさんを演じるという面白さがある。クライマックスはもちろん、劇の上演である。この本番に、葵の孫・加奈子(西田尚美)の脚本に込めた思いや、上演にいたるまでの紆余曲折がきれいに凝縮されている。ここで、実生活のおばあさんと、劇で演じられるおばあさん、という二重性が見事にいきてくる。回想シーンの挟み込み方も上手くて、ボロボロ泣いてしまう私。川の景色や舞台から見た客席を捉えるフォーカスの美しさ。山田邦子出川哲郎蛭子能収など豪華なんだかどうだか分からない脇役陣は謎。