『お嬢さん乾杯』(監督木下恵介)

お嬢さん(原節子)の屋敷のシーンで、応接間とベランダをまたいでの二人のやり取りをワンショットで撮ったりしているのが、喜劇の演出として成功しているのではないか。身体を使っての動きがしっかりと出ているから。他にメモしておきたいのは、歌と音楽。お嬢さんのピアノ・蓄音機と、自動車修理工(佐野周二)のギター・歌との対比。同じ監督の『カルメン故郷に帰る』でもオルガンに合わせた歌やカルメンの踊りが作品を彩っていた。