R・ブローティガン『西瓜糖の日々』(河出文庫)読了

ムーミンを思わせるような牧歌的世界。でも人間というのは単純なものでなく、幸福な状態にいるときにも、こんな幸せを受けたら、近いうちに同等の罰を受けるのではないか、というような発想を持ってしまう生き物だ。(単純だからそういう発想を持ってしまうのかもしれないが。)で、「西瓜糖の日々」も、決して穏やかに過ぎるのではなく、何かのきっかけがあれば直ぐに壊れてしまうような脆さ、危うさを、抱えている。そして、それは決して外部にだけあるのではなく、内部にも存在しているのだ。