就職活動。求人広告会社の企画営業職。説明会&一次面接。昨日読んだ『借家と古本』の余韻がまだ残っている中、ふわふわとした気持ちで会社に向かう朝10時。新人社員の方への質問タイムに、或る学生さんが、
――自分が会社の歯車として回っているな、と感じられてきたのは何時ごろからですか。
と質問していて、笑いそうになった。新人社員の方が答えたあとに、案の定、横で聞いていた社長さんが、
――うちの会社では、社員ひとりひとりが営業方法などを自分で考えながら働いているから、歯車というのとは全然違うよ。
と付け加えていた。多分質問した学生さんは、歯車というのをそういう悪い意味で使ったのではなく、会社の一員として自分が居場所を見つけて貢献をしている実感を得たのは何時頃からか、ということを言いたかったのだと思う。また、私を含めて他の学生の人もそれは分かっていたように思う。もちろん確かめたわけじゃないけれど、なんとなくその時の空気からそう思う。そして、そのちょっとした言い間違いというか、言葉のニュアンスを、社長は分かってないだろうなと思ったら、やっぱり分かっていなかったようで、それでまた笑いそうになってしまった。最近、就職活動での緊張感が、非常に悪い意味で無くなって来た。