国書刊行会からの電話は鳴らず。1次面接でスッパリ斬られる。うわーん。面接のときに交通費の代わりなのか、国書が出している本を1冊くれました。在庫整理?経費で落ちるから?理由は良く分かりませんが。思い出に取っておきます。そしてこれからは、1人の国書ファンの端くれとして生きていきます。うわーん。

○『ユリシーズ』はとてもよい感じ。『死霊』のときみたいにこっちが途中で失速してしまう可能性は大きいがとりあえずは。読む側に教養?というのが要求されるのだろうが、そういうのが無い私のような人間でも(但しその場合は、色々なことを知りたいという知的好奇心でも見栄でも虚栄心でもなんでもいいが、そういうものを持っていないと、読んでいても詰まらないだろう)、自分の分かる範囲で楽しむことができる。はじめの設定(男3人が塔の中で同棲している)や、3節のスティーブンの内面がずらずらと書かれていくところなんか、漲る悪意など、単純に青春小説としてだって読める。

○昨日大学のパン屋の片隅に設けられているテーブルで、試験直前にレジュメの見直しをしていると、近くに座った女の子2人組がこんな話をしていた。
「なんか、来年のNHKの朝ドラの主役らしいよ」
「うそー、脇役とかじゃなくてえ?」
「いや主役。あたし絶対NHK見ない。見たら絶対腹立つもん」
(もしかして彼女達が話しているのは。この娘のことか、なんだか物騒だな、と思いつつ耳をそちらに傾けてしまう。)
「そうだね。もしかして小雪みたいな感じを狙ってるんじゃない」
「わかんないけど。声とかさあ、聞いたことないけど、聞いたら絶対ムカつくからね」
(え、声を聞いたことが無い?知り合いじゃないのだろうか。まさか雑誌モデルと普通の読者という関係ではないよな。気になる。レジュメなんか頭に入ってこない。そのうちに話は変わって。)
「このレポートさ、200字詰めの原稿用紙って書いてあるんだけど。そんな原稿用紙ある?」
「知らない。見たこと無いけどねぇ」
(いや、普通にあるから!とにかく色々と心かき乱され気づけば試験開始まで、残り15分だった。)