昨夜のビデオ D・リンチ監督『マルホランド・ドライブ』

一度観ただけでは理解できなかった、のはおそらく多くの人と同じ。個人的には推理小説のネタバレとか気にしない性格なので、また謎の解釈も、ある程度個々人の差を許容してくれる幅を持った作品のようにも思うので、直ぐに二回目を観ようとは思っていない。
またこの作品は、ミステリーという形式が、単なる目的としてだけでなく、大切なメッセージ、モチーフを伝えるための手段の役割も果たしているのだ。そのため、謎ときに拘る必要はますますなくなってくる。ハリウッドという夢にかけた一人の女性の悲しさ、華やかな舞台の裏にあるどろどろした欲望。逆に言えば、多くの敗残者がいるからこそ際立つ、女優たちの美しさ。


余白
野矢茂樹『「論理哲学論考」を読む』を買いたい。