梅雨らしくない梅雨の中休み、か。

今年の関東は雨があんまり降らない気がする。降っても夜中に降って、朝には止んでいることが多い。

今期の連続ドラマ、注目の1つ『幸福の王子』(日本テレビ系)を観る。(もう1つ気になるのは『すいか』。『やっぱり猫がすき』の脚本家で主演は小林聡美。)

出演は本木雅弘菅野美穂渡部篤郎。脚本は遊川和彦
スローモーションやストップモーション、俯瞰ショットとかロングショットが多用されており、印象的なショットを作ろうとしている姿勢が前面に出すぎている印象。
初回の今日は、心臓病を抱えた繭(綾瀬はるか)を中心にする形で、現在の周平、良介が登場してきた。この先の物語は、周平(本木)、海(菅野)、良介(渡部)が医学部に在籍していた14年前からの出来事を、良介が回想していく仕組み。
14年前という設定、昭和から平成にかわる頃という点が強調されていた。平成という年号、少女連続誘拐事件、といったフレーズがところどころ台詞に挟まれている。時代批評の意図があるのかもしれないが、説教くさくならないことを祈る。

・善意とか幸福とか良心とかいう、誰も否定できないものを、そのまんまの形で、というのはステレオタイプな、誰もが容易に納得・理解できる形で、描くのであったらこれは危険だ。『いいひと』はほとんど観なかったが、自分の行為が良いことだと自信を持っている人は厄介だろう。世のため人のためになりたいというのは、ほとんどの人間が多かれ少なかれ思っていることなんだから。問題はすべての人の完全な幸福が実現されない原因はどこにあるのか、ということなんだから。教条主義的に、理想ばかり語っていてはいけない。
特に最近の日本って、言葉の厚みがなくなってきているというか、それはおそらく論理学とか数学の勉強やり直しとかが流行っていることと無縁ではなく、とにかく言葉の意味を確定していくことこそが大事、と思われているような気がする。あいだみつお、とか、それの亜流の路上で言葉を書いちゃう人とか、そうした人たちの言っていることは、まったくの正論であり、正論でしかない。
・新しく始まる連ドラを雑誌で調べて、期待できそうなものの一回目をチェックするなどという律儀なこと(暇人?)をするのは実に久しぶり。そしてこれはとても楽しい作業。テレビは腐ってるし、情報量は少ないし、情報の質も悪いし、時代からズレているし、テレビの見過ぎで人生を狂わせたと勝手に責任転嫁するようなことを言っている私である。しかし、久しぶりにドラマ選びをしていて、自分はテレビが好きなんだと再確認してしまった。
カトリックの幼稚園だか孤児院だかで働く坂下千里子、心臓移植を求める患者につけいる詐欺師・悪徳金融業者、

遊川和彦岡田惠和(おかだよしかず)をなぜか混同してしまう。
遊川氏で好きなのは『十年愛』『おヨビでない奴!』、岡田氏で好きなのは『南くんの恋人』『イグアナの娘』『若者のすべて』『君の手がささやいてる』『彼女たちの時代』、というように覚えておくこと。

メモ
『PapaToldMe』原作と主題歌(空気公団
日記タイトル『本を読むバカ読まぬバカ』→『書きなぐーる』