『色川武大・阿佐田哲也エッセイズⅠ』読了。

酒たばこ競馬競輪麻雀、すべてやらない私が読む必然性はあったのだろうか。
もちろんそれはあったのだと思うけど。

・人生はギャンブルだみたいなことが言われるときに、その多くは人生において運や偶然が占める割合の大きさを指しているのだと思うが、本当のところは人生もギャンブルも運じゃなくて実力、運の使い方も含めた実力なんだということ。

(敗戦後当時は)立場や状況の相違でやることが多少ちがっても、結局は人間同士わかりあえると、皆が思っていた。
 今はなんだい、共通の符牒みたいな現代言葉を使って、似たような服、似たような飯、似たような家や車を持って、外見は同じようだが、内心では、あいつと俺はちがうと思ってるんだろ。そのちがいのところに細々とすがりついて、これが自分だと思っている。だから、人間は結局、お互いにわかりあえないものなんだというのが前提だ。

・『うらおもて人生録』だったか『怪しい来客簿』の一篇だったか忘れたが、疎開先で著者が紙相撲遊びをした時のことを書いた文章があった。手作りのコマに一つひとつ力士名をつけて、取り組みも本物そっくりに行っていき、勝ち取り表を作成する色川少年。ひとつの世界を作り上げてしまうその想像力というのか、そこはさすがに後に作家になるだけのことはあるように思うが、そのはまり具合、執着するさまが怖い気もする。これはヘンリー・ダーガーの絵を観たときに感じたものと似ている。『エッセイズ』の中では競輪にはまって、ノート数十冊の選手資料を作成したエピソードが書いてあるが、これも凄い。
あとあんまり比較したくないけど、みうらじゅんのエロ本スクラップ及び大仏スクラップにも似た情熱を感じるね。
もしかして色川武大はオタクなのか。
私の経験に似たものがあるとすると、それは筋肉マン消しゴムで遊んだことだろうか。この場合は漫画・アニメによって与えられた世界を利用した遊びだったわけだが。

・あまり関係ないけど、以前から俳優の的場浩司が『ダウンタウンDX』などで話しているゴム男。これってナルコレプシーの症状なんじゃないかと思った。
さらに関係ないけど、これも昔、『アッコにおまかせ』にゲスト出演したいしだ壱成が、最近UFOをよく見る、という話をしていて、それからしばらくしてクスリで捕まったのには笑った。ただ別の日に同じ番組に出演した奥菜恵もUFO目撃談を話していたのはいまだに気になる。というか、色んなアイドルが怪奇現象を見た話をするのも、そっち方面から考えるとなんだか怪しい。憑き物おとしが必要です!

〇小笠原(鹿島アントラーズ)と乾貴美子(タレント?)は、藤森かおり(アダルティ女優)に似て蝶

E・H・カー『危機の二十年』をあの本屋に買いにいくこと。